2006年04月27日

神威あれば虚空あり

2日続けてダウナーネタを続けるのはどうかとは思いますが、時期が時期だけに語らずにはいられないSinです。こんばんは。





さて、関西圏の方にとっては対岸の火事で済まされないはずであります、福知山線・尼崎駅近辺の列車事故。事故の検証などは他のところでも見ることができるでしょうから、ここでは私の視線から、語ってみたく思います。





ちょうど1年前、私は3回生でした。この頃はまだ、「阪急・大阪市営地下鉄・近鉄」を使わずに、「JR・近鉄」の組み合わせを利用して大学まで通っていました。ギューギュー詰めの列車の中でMDを回したり、時に東西線を利用してみたり、駅ビルのゲーセン帰りに北新地から出発したり、寝過ごした為に環状線を丸々1周してみたり…さすがに、2年も同じルートで通学していると、何気ないエピソードは自然と蓄積されていきます。



そんなごくごく当たり前の日常をブチ壊した、列車事故。私がそれを知ったのは、自宅の隅っこに居座っている、テレビの前でした。確か、10時前だったと思います。その時は、JRを使って通学しているにも関わらず、まだ「他人事」でしかありませんでした。





偶然の存在を知るまでは。





大学生にはおなじみの「履修登録」。私はこれに救われました。



3年目に配られた時間割では、どうしても取りたかった授業のひとつに、「マネジメント・ゲーム」というものがありました。これは、実際の経営というものをシミュレーション・ゲームの形式で学ぶための科目です。入学当初より私は、3回生にならなければ取れないこの科目が、気になって仕方ありませんでした。それが、月曜日の2、3時限目に開講されるということで、「これだけは夜勤明けの体に鞭打ってでも出たい!」と意気込んで、履修登録を終えました。



しかし…この授業は、私とは別の学科向けに開講された授業でした。誤植のせいとはいえ、ここにこの授業を入れることができなかったのです。しかも、2、3時限目には他に取りたい授業もなかったので、月曜日は丸々オフになってしまいました。



が、もし時間割に誤植がなければ…サボリでもしない限り、私はあの電車に乗っていたのかも知れなかったのです。夜勤明けという、意識を保つ上で決して上々とは言えないコンディションで。





夜勤からの帰宅後、少々の睡眠をとった後、起床してから携帯電話を見ると、やけに着信履歴とメール受信が目立ちました。しかも、そのことごとくに「大丈夫か?」という内容が含まれており、最初は何が何やらわかりませんでした。そんな流れでテレビを見てみれば…本来ありえない方向に突っ込んで動かない電車の姿があったのです。





遺族に向かって土下座する、JR西日本の上層部。大学の一角に存在する掲示板に張られた、追悼の文章。テレビで読み上げられる友人のメール。そして、その友人へのインタビュー。普段は気にも留めない、厳つい黒服で武装した裁判官の並ぶ姿。エトセトラ、エトセトラ。



この流れに、私の姿を直接見ることはありません。





本来、ひとつの誤りとされるはずの…あの「誤植」。



そのミスがないものだったとしたら、私はこうして存在する事もできなかったのかも知れません。

posted by 紫苑兼光 at 18:52| Comment(3) | TrackBack(0) | 沈思黙考 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
■無題
偶然により生き残れた(?)Sinさんに祝杯を。<br /><br />そして脱線事故の犠牲となられた幾多の英霊に追悼の杯を。</p>
Posted by ハル at 2006年04月27日 22:25
■無題
Sinさんも、私と似たような立場だったのですね・・・<br /><br />私は、あの時も、今でも、JRで通勤してます。あの日までは、1両目ばっかり乗ってました。ウチの会社は、フレックスなので、あの時間に乗る可能性はゼロではなかったのです・・・<br />実際、5両目に乗ってた社員がおりましたから(幸い、その人はケガもなくすみました)<br /><br />JRの運転が再開する前に、いたたまれなくなって、献花しに行きました。<br />今では、福知山線だけは怖くて、3両目より前には乗れません。<br />1年後のつい先日も、通勤のために乗りました。せめて、と思い、現場通過の際、手を合わせました・・・<br /><br />本当に、2度とこんな事故は起きてほしくない、それだけですね。<br />(長々と失礼しました)</p>
Posted by さなまんごー at 2006年04月28日 09:37
■ちょっとの手違い
>ハルさん<br /><br />ありがとうございます。祝杯…頂きます。<br /><br />そのお礼を、望む形としてお返しできる事ができるかはわかりませんが、ここを去るまでは生き続けます。<br /><br />>さなまんごーさん<br /><br />私よりも厳しい状況下ですね…よりによって1両目ですか…。<br /><br />3両目よりも前は、福知山線だけでなく、他のすべての電車で乗らない方がいいと思います。<br /><br />遠征の時に、一度神戸まで出向く機会があったのですが…安全なポイントだからかどうかは知りませんが、相変わらずのスピードでブッ飛ばしてましたからねぇ。<br /><br />何にせよ、本当に安全な世の中になるには、まだまだ時間が掛かりそうです。</p>
Posted by Sin at 2006年04月28日 13:06
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